大刀剣市/ホームメイト

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日本刀好きの人が集まる、年に1度の大規模な刀剣・日本刀の販売会があるのをご存知でしょうか。それが「東京美術倶楽部」(東京都港区新橋)で開催される「大刀剣市」(だいとうけんいち)です。全国の刀剣商で結成された「全国刀剣商業協同組合」が主催するため、「本物」の日本刀が数多く揃います。まさかの名刀や名家伝来の日本刀など、掘り出し物に出合えることも。観に行くだけでも楽しい大刀剣市について、詳しくご紹介します。
大刀剣市
全国刀剣商業協同組合が主催する刀剣・刀装具・武具甲冑を中心とした展示・即売会「大刀剣市」をご紹介します。

大刀剣市とは

大刀剣市の歴史と概要

大刀剣市会場

大刀剣市会場

大刀剣市」とは、「全国刀剣商業協同組合」主催で、1988年(昭和63年)から年に1度開催されている日本刀の大販売会です。

出店する刀剣店は毎年70以上。国内はもちろん、海外からの人気も高く、入場者数は3日間で7,000人以上にもなるビッグイベントです。過去には、徳川家ゆかりの刀や上杉家ゆかりの刀、特別重要刀剣重要美術品など、かなりのお宝、掘り出し物が販売されました。

つまり、販売会なのに、美術館級の品揃え。まさに、本物の日本刀が欲しいけれど、どの刀剣ショップで購入すれば良いか分からない、偽物をつかまされたくないと躊躇している人におすすめなのが、大刀剣市なのです。

大刀剣市の刀が信用できる理由は、出店しているお店が、すべて全国刀剣商業協同組合に加盟済みという点。また、1日で複数のお店を訪問できる点や、紳士的な店が多いため、押し売りされる心配がないのも良いところです。

たくさん観ていくうちに自分の目や耳が肥えて、ここは備前伝(びぜんでん)の刀が豊富なお店だなとか、あそこは美濃伝(みのでん)、あそこは「村正」(むらまさ)に詳しいなど、お店の強みや店員さんとの相性も感じ取れるようになるはず。大刀剣市は、決して、安い買物が楽しめる販売会ではありませんが、本物に出合える販売会ということができます。

2020年(令和2年)、2021年(令和3年)は、残念ながら、新型コロナウィルス感染症の拡大防止のため、大刀剣市の開催は中止されていました。しかし、2022年(令和4年)待ちに待った大刀剣市がついに開催されました。

大刀剣市2022(令和4年)開催概要
開催期間 11月18日(金)、19日(土)、20日(日)の3日間
営業時間 10~17時(最終日は16時まで)
開催場所 東京美術俱楽部(東京都港区新橋6-19-15)
アクセス
  • 都営三田線「御成門駅」下車徒歩2分
  • 都営大江戸線「大門駅」下車徒歩6分
  • ゆりかもめ「汐留駅」下車徒歩8分
お問い合わせ 「全国刀剣商業協同組合」
〒169-0072 東京都新宿区大久保2-18-10
新宿スカイプラザ1302
TEL:03-3205-0601 FAX:03-3205-0089

大刀剣市を楽しむ方法

日本刀の大販売会が行われる大刀剣市は、まさに日本刀好きのための年に1度のお祭りです。そこで、大刀剣市をより深く楽しむ方法を伝授します。

カタログを手に入れよう

カタログ表紙

カタログ表紙

まずは、入場。東京美術俱楽部の1階からエレベーターで受け付けのある4階に上がります。

受け付けで入場券を渡すのと同時にカタログを貰えるので、必ず受け取りましょう。

大刀剣市のカタログは、写真集としても楽しめるとても質が高い物で、コレクターもいるほどです。

カタログには、その年注目の刀が巻頭ページに掲載され、その刀を販売している店のブースは、何階のどの位置にあるのかが分かる会場案内図も添えられているので確認しましょう。

価格を見よう

なかに入ると、たくさんの刀が展示されたブースが立ち並び、とにかく圧巻です。刀の傍らには、(めい)と共に、価格も展示されているのが、大刀剣市ならではというところ。どの店のどんな物がどれくらいの価格なのか、ひと目で分かり、好奇心が満たされます。

観賞させてもらおう

大刀剣市 刀剣商ブース

大刀剣市 刀剣商ブース

例え購入しなくても、刀を手に取って観賞させてくれるお店が多いのも嬉しいところ。

ぜひ刀の観賞がしたいという人は、マナーとして、マスク・手袋を持参して、お願いしてみると良いでしょう。

店員さんは、当然のことながら刀に詳しいので、普段は聞けない刀の疑問や相談なども気軽にできるチャンスです。

イベントに参加しよう

真鍮プレートに刻む銘

真鍮プレートに刻む銘

大刀剣市の会場では、毎年、刀剣にちなんだ楽しいイベントが催されています。

2019年(令和元年)度に行われたのは、現代刀工による「銘切実演」。銘とは、刀工が刀に刻む文字のこと。

実演では、真鍮(しんちゅう)プレートに、好きな言葉を銘切してもらえます。真鍮プレートはサイズが4種類あり、キーホルダーやネックレスにもなる優れもの。価格は3,000円と安価で、大刀剣市に来た記念として購入する人も多く、大好評でした。

この他、刀剣評価鑑定士による3つのコンテスト「我が家のお宝鑑定」や「現代刀職展」、「日本刀の匠たち」の受賞者作品も展示されていました。会場内には食堂や休憩スペースがあり、お寿司やお弁当、お茶やジュースなどのドリンク類も販売されているため、1日中楽しめます。

大刀剣市に行こう

なるべく早めがおすすめ

大刀剣市は、刀剣・日本刀の販売がメインですが、日本刀はもちろん、(つば)などの刀装具(とうそうぐ)や甲冑、刀剣関連の書籍や文房具などのグッズも一同に揃う素晴らしいイベントです。まだ行ったことのない人や刀剣ブームを感じ取りたい人は、ぜひお出掛けしてみると良いでしょう。

なお、注意点として、大刀剣市は例年3日間開催されますが、大販売会なため商品は売れるとなくなってしまいます。カタログの巻頭ページの刀を観たい、あるいは数多くの刀に触れたいという方は、なるべく早めにお出掛けするのがおすすめです。

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東京都の刀剣施設

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東京都にある刀剣商

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刀剣・日本刀を販売する刀剣商
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名古屋刀剣博物館と江戸三作

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